空を拓く ―ある戦後開拓の物語
【あとがきより】
植野咲子は、戦後の十勝へ開拓に入った方々のお話を伺っているうちに、私の中で育っていった少女です。複数の方をモデルにしていますが、全体としては私の創作で、咲子に開拓の苦労話を全部背負ってもらいました。
ずっと子供と関わる仕事をしてきて、今の子供は自分だけの大切な宝物を持っていないような気がする時があります。有り余る物に埋もれて、本当に充足した子供時代を送っているのだろうかと、考え込む時があります。自分達の食べ物を、春の種播きから始めて、収穫を楽しみに大切に育てたり、羊を飼い、糸を紡ぎ、自分で編んだセーターを着て、片道四時間かけて学校へ通ったりした咲子達に比べたら、そのちがいのなんと大きいこと!
…(中略)…
「あなた達のおばあちゃん方はこんな子供時代を送ったのよ」と子供達に語りたくて、私はこの咲子の物語を書きました。
どんな困難な状況にあっても、前を向いてひたむきに歩き続けたたくさんの咲子達のあとを、現代の咲子達が一歩一歩しっかりと踏みしめて歩いていくことを願っています。
最後に、開拓の苦労話を長い時間をかけてじっくり聞かせてくださった方々、草稿を読んで、助言をしてくださった方々に心からお礼申し上げます。ありがとうございました。
二〇一〇年十一月
行宗 登美
【著者略歴】
行宗 登美
1947年東京生まれ。
清泉女子大学英文別科、國學院大学文学部国語学科卒業後、
東京と区立中学校、都立高等学校の国語教諭を勤める。
1988年退職し、夫と山梨県ハヶ岳山麓に移住。
1989年北海道十勝に再び移住。
ISBN 978-4-434-15273-3 C0093
版型 四六版 ソフトカバー
ページ数 172ページ
発売日 2010年12月25日
植野咲子は、戦後の十勝へ開拓に入った方々のお話を伺っているうちに、私の中で育っていった少女です。複数の方をモデルにしていますが、全体としては私の創作で、咲子に開拓の苦労話を全部背負ってもらいました。
ずっと子供と関わる仕事をしてきて、今の子供は自分だけの大切な宝物を持っていないような気がする時があります。有り余る物に埋もれて、本当に充足した子供時代を送っているのだろうかと、考え込む時があります。自分達の食べ物を、春の種播きから始めて、収穫を楽しみに大切に育てたり、羊を飼い、糸を紡ぎ、自分で編んだセーターを着て、片道四時間かけて学校へ通ったりした咲子達に比べたら、そのちがいのなんと大きいこと!
…(中略)…
「あなた達のおばあちゃん方はこんな子供時代を送ったのよ」と子供達に語りたくて、私はこの咲子の物語を書きました。
どんな困難な状況にあっても、前を向いてひたむきに歩き続けたたくさんの咲子達のあとを、現代の咲子達が一歩一歩しっかりと踏みしめて歩いていくことを願っています。
最後に、開拓の苦労話を長い時間をかけてじっくり聞かせてくださった方々、草稿を読んで、助言をしてくださった方々に心からお礼申し上げます。ありがとうございました。
二〇一〇年十一月
行宗 登美
【著者略歴】
行宗 登美
1947年東京生まれ。
清泉女子大学英文別科、國學院大学文学部国語学科卒業後、
東京と区立中学校、都立高等学校の国語教諭を勤める。
1988年退職し、夫と山梨県ハヶ岳山麓に移住。
1989年北海道十勝に再び移住。
ISBN 978-4-434-15273-3 C0093
版型 四六版 ソフトカバー
ページ数 172ページ
発売日 2010年12月25日
空を拓く ―ある戦後開拓の物語
販売価格: 1,100円(税別)
(税込: 1,210円)
在庫あり
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