企画力 ヒットする企画の極意

「ノーベル賞授賞晩餐会の再現」や「長嶋茂雄 スペシャルディナーショー」など大きな話題となったイベントや商品開発を成功させてきた伝説の企画師・出村明弘が明かす、企画の真髄。

【ためし読み】
https://hanmoto9.tameshiyo.me/9784434305207


著者      出村明弘
ISBN       978-4-434-30520-7 C0095
版型      四六版 並製
ページ数    312ページ
定価      1800円+税
発売日     2022年6月24日
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【著者紹介】
出村 明弘(でむら あきひろ)
 株式会社プライムマネジメントコンサルティング代表取締役。地域振興・観光振興及び企業再生・人事育成の専門家。
 三井観光開発株式会社エグゼクティブ・マーケティングプロデューサーを経て、全国自治体や商工会議所等の“観光や食文化のブランド化”を推進。話題創出の企画テクニックには定評があり“出村マジック”と称された。
 00年札幌国際大学観光学部非常勤講師。19年拓殖大学北海道短期大学 客員教授。20年より(一社)全日本司厨士協会北海道本部 企画運営局長、国指定重要文化財 豊平館 FB企画プロデューサー。現在、拓殖大学外国語学部非常勤講師、学校法人拓殖大学企画アドバイザーでもある。



【目次】
第一章 実例でみる「企画」の在り方
第二章 活きた「企画」の創り方
第三章 「企画」の発想
第四章 「企画」の構築


【はじめに・あとがき】

はじめに

私はかつて全国に観光施設や事業を展開する会社に籍を置き、各地の事業所の業務改善を軸に数々の商品開発やイベントプログラムを企画・指導してきた。これらの経験や培った人脈を活かし、地域開発や企業経営戦略などのマーケティング・コンサルタント業務並びに商品開発や教育研修を総括的に遂行させることを目的とした会社を設立して今年で十六年、時の経つのは実に早い。
つくづく感じることがある。
そもそも観光業界に身を置きながら「観光の定義」すら語れない事業主がいる。
サービス業の老舗と言われながら「サービス」と「ホスピタリティ」の違いも説明できない経営者がいる。「地域創生」と「地域活性」の区分けも理解できぬまま「地域振興」の部署に身を置く役所職員がいる。戦略も講じぬまま戦術論を捲し立てる様はいささか閉口してしまう。あらためてなぜ「企画力」が伸びないのだろうか。
関わる課題や問題意識の低さ、創造しようという熱量の無さ……自分の目で見て、耳で聞いて、足で稼ぐという泥臭くともスキルがあれば、そのベクトルを適確に示すことで光明が見えてくるはずである。
「企画人」がもうひとつ育たないのは、企画の基本を理解していないか、或いは〝変な〟「プライド」と「縄張り意識」に他ならない。高を括り知ったかぶりをする……、自己の領域の存在を主張したがることで排他的になってしまう……、それは「個人の流儀」なのか、「組織の流儀」なのか、まさに「流儀」と「らしさ」の交差のなかで歪みが生まれてしまうのだ。
先ずは、〝己を知る〟ところからはじめよう。〝人を認める〟ところからはじめよう。〝なぜ? なに?〟という疑問を大事にしよう。そして〝企てる喜び〟を知ろうではないか。

本書は「観光産業」「地域振興」から捉えた「企画」を論じてみた。その考え方は業界を越えて様々な場面で活かすことのできる基本と応用を網羅した〝生きた企画論〟であると考えている。
ヒットする企画、それはマーケットの中で潜在的なニーズを捉え、説得力のあるストーリーをいかに創造できるか、魂となるメッセージをいかに発信できるか―「企て」を実践するにあたってのプロセスを習得……「企画」に対する苦手意識に悩まされぬよう、導入部として理解しやすい「実例」を通して、〝学び〟から〝考え〟そして〝創り出す〟までを体系的に解説してみた。
「企画」は何も仕事上のものとは限らない。これから生き抜く上で大変に重要な行為であり考え方である。しかしながらこのカテゴリーにおける学びや受講の機会は至って少ない。
書店においても「マーケティング」に関する書は多いものの、「企画」に関連する書籍は残念ながら少ないようだ。
時間は経過しても基本は変わらない。どうか、身近なところに本書を置いて末永くご活用いただければ嬉しい限り、冥利に尽きる。




おわりに

長年在籍していた会社を卒業し、新たな会社を設立して十六年目の春。様々な業務の源流となった「企画」の考え方、あるべき姿を論じた著作を世に出す時がやってきた。本著の中でも度々触れてきた「タイムリー」な出版を探りつつ今年に至ったのである。

新型コロナ・ウィルスの出現、その影響は日本、いや世界を大きく変えた。
外出自粛にはじまり、他県移動への注意喚起、渡航制限で人の移動が激減。関わる観光業界において旅行需要は壊滅的な状況となり、事業者は思案投首、窮余一策を模索する日々。
医療現場は崩壊に近づき、悲鳴とも思える感染者の数が更新されていくメディア報道。日常での生活変化を余儀なくされ、ものの見方や価値感も大きく変化し、先行き不透明感、読めない明日、援助支援金獲得に奔走する―。
テレワークやフレックスの普及、オフィス・スタイルの変化などワークスタイルの多様化が一気に進みだした。その陰で気落ちし、希望を失いメンタル不調に悩むサラリーマンも増加傾向にあるという。人員整理・経営規模縮小・倒産……。
映画の世界が現実になったかのような錯覚を覚えるのは私だけではあるまい。

暗いニュースが報道される一方で実はこんな見方もある。
『今こそ、史上最大のビジネスチャンス!』
そう、変化は最大のチャンスなのである。変化を捉え、情報を掴み、先を読む、そしていち早く行動することで〝モノ〟にするのだ。モチベーションおとすべからず。新しい発想をすべし。まさに「企画力」が必要とされているのだ。
あらためて今、私たちが存在する「意義」を考えて行動する、新たな「価値」を創造した商いをする必要があるのではないだろうか。

期待された経済効果どころか、開催の是非を問われた東京五輪も閉幕した。
開催中に耳にした多くの言葉は「感謝」だった。当たり前の日常風景の中で私たちはいつの間にか置き去りにしてきた大切な行為。それは人と人との「感謝」だけではない。
『いただきます』という食卓での「感謝」は誰に対してのものか。作り手だけではない。それは大自然の〝命〟である。生をいただき生かされている私たち人間の根源的役割は何か。この「感謝」の上に成り立つビジネスを今一度考えるべきなのではないだろうか。
『ありがとう』という微笑みの言葉を創り出す「企て」こそが「企画の真髄」であり、素晴らしい記憶を残す「感動」を創り出す「情熱」こそが「企画の真骨頂」と思うのである。

出版にあたり、株式会社柏艪舎の皆様には大変お世話になり心より御礼を申し上げたい。
企画力 ヒットする企画の極意

販売価格: 1,800円(税別)

(税込: 1,980円)

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