完本 丸山健二全集10 「日と月と刀」 一

【あらすじ】

時は乱世の室町時代。薬王寺を襲った山賊に攫われ、馬上から投げ捨てられた女(母親)から生まれ落ち、刀鍛冶に拾われ育てられた無名丸。やがて無名丸は見よう見まねで自ら鍛えた〈草の刀〉と、育ての親が鍛えた〈星の刀〉を携え、放浪の旅に出る。

一方の無名丸は八十歳となり、草庵に籠もって六曲一双の屏風絵を描きあげ、今際の時を迎えようとしている。つまり、無名丸の八十年という一生が語られるわけで、将軍の庇護のもと大僧正になった実の父親との出会い、そこに至るまでの無名丸の波乱に満ちた人生放浪はまさに壮麗な絵巻物語である。

その放浪は、人生の何たるかを求める旅でありながら、殺人を重ねる修羅の道でもあり、無名丸は、「日を崇めるなかれ、月を愛でるなかれ、刀を信ずるなかれ」を胸に刻んで人間としての生を全うしようとする。

無名丸がいよいよ絶命する時点で、読者は大いなる感動を覚えるにちがいない。これは紛れもなく、生々流転、そして再生の物語であり、人間及び人生の賛歌にほかならない。親鸞、そして「歎異抄」の世界と言ってもいいだろう。

著者はこれまで、短編の名手と言われてきたが、それはたぶん、労を惜しんで短編しか読もうとしなかった人の戯言だろう。著者の長編こそはまさに傑作であり、日本文学の最高峰に位置していることは疑問の余地がない。

発売日     2018年9月14日
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定価      6,000円(税別)
(本商品は先払いです。ご入金確認後、商品をお送りいたします)

ISBN       一 978-4-434-24722-4 C0093

版型      四六版 上製 函入り 箔押し
ページ数    1-528ページ

【ためし読み】
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完本 丸山健二全集10 「日と月と刀」 一

販売価格: 6,000円(税別)

(税込: 6,600円)

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  • 2017年7月7日 毎日新聞
  • 2017年8月3日 読売新聞
  • 2008年4月20日 日経新聞
    『日と月と刀』を2008年に刊行された当時に書かれたエッセイです。

    絢爛たる言葉によって紡がれた時代絵巻の世界--。

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