太宰治 母源への回帰

太宰治を母源喪失の観点から分析する、
かつてない太宰治論。
北海道を代表する詩人であり、
太宰治とルーツをともにする著者が、
太宰治の心の深奥に迫る。
太宰治ファン 必読の書!

【目次】
I 母源へのいざない
  1 母源喪失のいたみ ―母たねからの隔離と、代母としての乳母と叔母きゑ― 8
  2 津軽・母源世界の差し招き―育ての乳母タケの出現― 23
  3 没落縄文人のいざない―津軽の民タケ― 33

II 地母神コンプレックスの曙
  1 根源世界への誘導者・タケ―縄文人タイプへの帰還― 44
  2 地母神コンプレックスの罠―タケの母性我― 51
  3 エロスの虹―太女神・遮光器土偶・巫女― 58
  4 地母神シフト―タケからの分離とイタコ化― 65
  5 不義の子感覚―創作衝動の擬似針― 71

III 母源奪還の旅
  1 「日常我」と「非日常我」と「包摂我」の三極構造 84
  2 憑依としての「非日常我」―小説『哀蚊』と『斜陽』― 103
  3 一瞬の母源奪還―小説『新樹の言葉』を中心に― 111
  4 擬人化論の愛―小説『富嶽百景』を中心に― 126

IV マルキシズムへの母源迷走
  1 通過儀礼のアーチ 152
  2 「原始共同体」への回帰願望 159
  3 生活共同体論への回心 163
  4 母源への迷走 169

V 母源の遁走
  1 エロスの罠 178
  2 エロス・タナトス共時現象としての自死 181
  3 母源奪取としての女性愛 185
  4 殉死衝動 189
  5 永遠のノスタルジア 194
  6 地母神を犯す 202
  7 快楽原理としてのエロスと、現実原理としてのタナトス 210
  8 母源の遁走 222

  あとがき 227

【著者略歴】
原子修(はらこ おさむ)
1932年函館市生まれ。詩集『鳥影』で北海道詩人賞受賞、『未来からの銃声』で日本詩人クラブ賞、『受苦の木』で現代ポイエーシス賞受賞。詩劇53作品118公演を道内・道外・海外で実施。北海道芸術新賞、北海道文化奨励賞、札幌市民芸術賞、北海道文化賞を受賞。童話『月と太陽と子どもたち』(「北の児童文学賞特別賞」受賞)。
2006年7月『モンゴルの白い馬』、2012年10月『龍馬異聞 秘め火』(柏艪舎)を刊行。
日本文藝家協会員、日本現代詩人会員、日本詩人クラブ会員、北海道文学館参与、北海道龍馬会会長、札幌大学名誉教授。北海道小樽市在住。


ISBN       978-4-434-18001-9 C0095
版型      四六版 ソフトカバー
ページ数    232ページ
発売日     2013年6月20日
太宰治 母源への回帰

販売価格: 1,700円(税別)

(税込: 1,870円)

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