赤い蛾に乗った女

「ただ、人並みの幸せが欲しかった…」

昭和初期、東北の田舎出身の少女ヒノは、芸者として厳しい毎日を過ごしながらも逞しく成長していく。ある日、旭川の街で偶然に再会したのは幼なじみの鎮だった。彼はタコ労働者として食い繋いでいるという。昔から思い合っていた二人の恋は燃え上がり、これからともに生きていこうと誓い合うのだが……。

仙台と旭川を舞台に、男と女が懸命に生きる姿を描いた悲哀の人生譚。



【著者紹介】
鹿俣政三（かのまたまさみ）
１９３６年北海道上富良野町生まれ。
元中学教師。
著書に定年退職後に執筆した『泥流地の子ら』（柏艪舎刊）がある。

ISBN　　　　 　 978-4-434-13055-7 C0093
版型　　　　　　四六判　ソフトカバー
ページ数　　　　192ページ
発売日　　　　　2009年8月31日